トラックサイクリングに新たな革命を起こしたい ー Velobike グレン・キャッチポール

❝ トラックサイクリングに新たな革命を起こしたい ❞

 



始まりは2020年春、インスタグラムでの会話。Velobikeと繋がったことをきっかけに、ニュージーランドでのRunwell製品の販売が始まりました。そして2022年、わたしたちRunwellがVelobike日本代理店に。日本でVelobike製品を展開し約1年を経た今、代表のグレン氏へのインタビューを通してブランドへの想いや今後の展望をお届けします。

 

プロフィール

グレン・キャッチポール

Glenn Catchpole

ニュージーランドに拠点を置く、トラックバイクプロダクトブランドVelobike(ベロバイク)のヘッドデザイナー。空気力学と人間工学に基づき、機能美に優れた製品を開発。2018年にブランドを立ち上げ、ナショナルチームとオリンピックに向け共同開発を行うなど、トラックバイク業界のエキスパートとして活躍しています。


インタビュー

▶ トラックバイクに特化したブランドVelobikeを立ち上げに至った経緯や想いを聞かせてください。

2004年のアテネオリンピックでトラック競技を見て、まだ子供だった私は「いつかやってみたい!」と思っていました。私が育ったニュージーランドにはベロドロームがなく、両親もサイクリストではなかったので、レースに参加するような機会も全くありませんでした。

大学でインダストリアルデザインを学ぶため、2012年にウェリントンへ引っ越しました。インダストリアルデザインとは、モノづくりに必要な製品の開発を専門とする分野です。週末は学習内容を活かしサイクルショップで働いたのですが、そこで縁あってトラックサイクリングに挑戦することになったんです。それ以来、トラックバイクに真っすぐ向き合ってきました。

インダストリアルデザイナーとしての経験と、トラックサイクリングへの情熱から生まれたのがVelobikeです。最初の製品はチェーンリングのようなシンプルなものでしたが、ビジネスの成長に伴い、より大きな課題にアプローチする製品開発に時間とお金を投資できるようになりました。室内トレーニングマシン用のアダプターもその一つです。「自転車競技界で認知度の高いブランドになる」という夢に向かって、一段一段階段を登るような思いで新製品を開発しています。

 

▶ ベロバイクデザイナーとしてのポリシーや、最もやりがいを感じる瞬間について教えてください。

デザイナーとして根底にあるのは、「付加価値を生み出すこと」です。

新しい製品を開発する際には、現状解決されていない、または認識されていない課題にどのようにアプローチできるのか、どれだけ新しい価値を創り出すことができるのかを常に考えています。また、お客様がその商品を持つこと、使うことに喜びや誇りを感じられるかという点も重要です。最高な使用感、そして最高なデザインこそVelobikeだと自負しています!

ユーザーの皆さんがパーツを大切に扱い、誇りを持って使っている姿を見られることが一番のやりがいです。

 

▶ ベロドロームがあるケンブリッジに移ったことで、トラックチームとの距離も縮まったのではないでしょうか。製品開発への好影響や大きな変化は感じられますか?

現在の私たちの拠点は、ケンブリッジの屋内ベロドロームからわずか数キロのところです。ニュージーランドのナショナルチームや海外から訪れるアスリートやコーチ、メカニックと頻繁に顔を合わせるようになり、新たなアイデアを形にする際のコミュニケーションもスムーズに行えています。 

 

▶ ステム開発時に特に意識した点はありますか?


Elite Longboi Stem
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Elite Longboi Stem(エリートロングボイステム)は、東京2020オリンピックに向けたサイクリングニュージーランドとの共同開発により生まれました。選手たちが新たな前傾ポジションを模索する中、当時150mmを超える長さのステムはほとんど市場になく、また大半は柔らかすぎてプロのトラックスプリント競技には適していませんでした。エリートロングボイステム開発の上での大きなポイントは、「長さ」「エアロ」「剛性」の3つです。これまでに200mmサイズまで製作しましたが、長さに関わらず今まで使用した中で一番硬いステムだと選手からは好評です。

 

▶ 日本の競輪について、どのような印象を持たれたか教えてください。

日本の文化といえば、組織、秩序、そして伝統が思い浮かびます。私にとって、日本のケイリンはまさしくその日本文化の象徴です。まだ日本を訪れたことがないので、Chris HoyやShane Perkinsといった招待選手のミニドキュメンタリーやYoutubeでしか競輪を見たことがありません。いつか休暇をとって、その文化に触れる機会を作りたいと思っています。

 

▶ 日本では250競輪(PIST6)が始まり、Velobike製品も認定されましたね。どんな気持ちですか?

伝統ある競輪用品の「NJS」の刻印は、自転車部品の権威の証でもあります。 NJSのNITTOハンドル、NJSのKASHIMAXサドル、NJSのデュラエースクランク・・・誰もが欲しいと思う製品です。新しい競輪シリーズ(PIST6)の一員となり、世界的にも著名なトラックサイクリングブランドの中でVelobikeを確立できたことは、大変光栄に思います。


Elite Longboi Stem
(全サイズ認定)

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Track Handlebars
(全サイズ認定)

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Track Sprocket
(認定:12t~16t)

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認定Lockringの併用可能です

Elite Track Chainring
(認定:49t~68t)

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▶ 最後に今後の展望を聞かせてください。世界のトラック業界に向け、どのようにアプローチしていきたいですか?

選手目線の製品・技術開発を行い、トラックサイクリングというスポーツに新たな革命を起こしたいと思っています。私たちの最終目標は、最高のパフォーマンス機器を提供する、業界の代表的ブランドになることです。

 

 

インタビューを終えて

今年3月にオーストラリアを訪問し、これまではメールやDMのやりとりだけだったグレン氏に初めて会うことができました。滞在中は殆どの時間をベロドロームでGearshop Brisbaneのマット(共通のお客さん)と3人で過ごしましたが、プロダクトデザインに対して真摯に向き合う彼の姿勢を強く感じました。今後リリース予定の製品図を少しだけ拝見しましたが、これがまた凄い。これからもVelobikeの新製品にご期待ください!

 

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